『吾は巷のインタビュアー!』

走るしがないタクシードライバーからみた哲学みたいなもの

見切りのタイミング

見切りのタイミングとは難しい。

 

もうちょっと我慢すれば上手くいくかもしれないと、ズルズルと時をやり過ごしてしまうことってありませんかね?

 

ここで諦めたら今までの時間は何なんだった……という思いから思いとどまって。

 

何の確信もないのに、ここまで頑張ったんだきっと上手くいくという思いと時間の無駄だ諦めて切り替えようという思いが交錯し葛藤する。

 

その決断で、人生ぼうにふることもあり、薔薇色の人生が訪れることもある。

 

役者の夢を追い求めていた中年男性を乗せた時に話した内容を思い出しました。彼は、夢を追い続け結婚も定職もしてこなかった。年老いた両親のことを考えると、そろそろ潮時かもと……。

しかし、ここで諦めたら今まで人生は何だったんだとの思いもあるし、続けていたらひょっとしたら明日役者の道が開けるかもしれない……わからなくなっていると嘆いていました。

 

そんな大袈裟なものでもありませんが、タクシーの付け待ちもそうです。

とあるタクシー乗り場に車を停めて、10分、30分、60分と待ち続ける。ここで上客を乗せたこともあり、もう一度という思いが意固地になるが、待てど暮らせど人は来ない。しかし、時間が経てば経つほど、煮え切らない自責の念に苛まれます。

この時間まで何度諦め離脱しようと思ったのですが、離脱した瞬間に流れが良くなっていい上客を乗せるかもしれない。もしそうだとしたら、悔やんでも悔やみ切れない……。

 

暫くしてお客は乗ってきました。

近場のワンメーター。

 

人生なんてそんなものですね。

いや、そんなもの何て思ってはいけない……ですね、

 

引き際が肝心だと言いますが、その引き際がわかれば苦悩なんてしない。

 

人生何が起こるかわからない。良い事も悪い事も。

 

その時に自分が決断した答えが、正解だと思うしかないですね。今までやり続けていたのは、信じる自分がいたことの証ですから。